「華焱(かえん)」それは、咲き誇るように燃える猛火の華。 とっぷり日が暮れるころ、手に手に松明を掲げて人の群れが動き出す。轟く太鼓、駆け上る火柱、空をこがず黒煙。 激しく変化する火炎の舞いに、ぼくらの影も踊り出す。影につられ身体が動き出せば、火も人もゆらめく幻影になる。