SGおじさんのデジカメ日記

2003年1月2日
昨日に続いて、今日も雪。
20cm〜30cm降りました。


イナガキ隊長とコウキさんは連チャンで『くりの木プラザ』の除雪作業。
寒くて雪の多い日が続きます。
 

鬼押出し浅間園 過去気温データ(1月2日)
最高気温
最低気温
平均気温
1995
-5℃
-10℃
-8℃
1996
-2℃
-11℃
-6℃
1997
8℃
-6℃
2℃
1998
.3℃
-6℃
-2℃
1999
-5℃
-11℃
-8℃
2000
0℃
-6℃
-3℃
2001
-2℃
-7℃
-7℃



早朝から除雪作業をするスタッフに申し訳ないと思いつつ、
SGおじさんは、昨日、今日と気が抜けたかに、くたくたとしています。


1月中は、スタッフ各自が可能な限り、長期休暇に入ります。
十分な休息をとること、普段出来ないでいることの研鑚をつむこと、・・・


等々、説教がましいこと言うのもやめましょう(だからSGおじさんは嫌われる)。


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さて、先日“読みたくてソワソワしていた”本
『死都日本』(石黒耀 講談社)のことです。


何故か、新聞、雑誌上の書評で紹介されません。
改めて取り上げてみたいと思いました。


 


小説は、九州霧島火山の「破局的噴火」とそれに連動する
東海地震や富士山の噴火といった一万年を周期とする地球規模での
自然災害をベースとしたクライシスノベルです。


クライシス(危機、恐慌)といえば経済恐慌のことですが、
今の日本の社会経済は、その膨大な財政赤字
(日本の全人口1人当たり600万円、従って4人家族であれば
2500万円ほどの借金。・・・これでは普通の家庭が3〜4年、
全く飲まず喰わずに生活しなければ返済出来ない!)
に象徴される危機的状況を呈しています。


小説の中の話でなく現実問題として、いずれ何らかの「破局」を予感させます。


全生産設備を廃棄に追い込む様な恐慌なのか、
年率100%といった超インフレなのか、はたまた戦争か。


この小説は意外なところ(自然災害)を想定する事によって
破局的クライシスを描きます。


* 尚、群馬大学の火山学者、早川教授は、HP上BBS、2002年12月15日付けで、
この小説の書評を書いております。それによれば、小説に書かれた「破局的噴火」は
極めて、正確であり(一部、誤りを指摘)、単なる絵空事ではなさそうです。



時の首相スガワラは優れた指導力を発揮し、このクライシスに立ち向い、
ありのままを述べ、新しい「身の丈に合った国作り」を国民に呼びかけます。


SGおじさんは、スガワラ首相の大演説に共感しました。


終戦後、日本国民は全てを失い、「焼け野原」から出発しています。
ほんの50年ほど前のことです。


大量生産、大量消費の高度経済成長を実現し、アメリカに次ぐ
「経済大国」を築き上げることに成功したのです。


しかし、この「経済大国日本」は今直、長びくデフレ
(背景にある過剰生産力)に苦しみ、自らの手による社会構造の大変革を
為し遂げることが出来ずにいます。


SGおじさんは小説の中でスガワラ首相が呼びかける
「身の丈に合った国作り」に、現実の日本社会の進むべき方向が
指し示されている様に思えるのです。


それは安直なナショナリズムの鼓舞とは違います。


『死都日本』(石黒耀 著)、是非 六四館でお買い求めください。